So-net無料ブログ作成

ジャンプアクションゲームの起源は? [レトロゲーム]

 僕の知っている限りでは確かに、(ドンキーコングに)ジャンプという仕様を提示したのは、宮本茂ではありません。では誰が提示したのか?それは横井軍平その人です。

雑誌「bit」の1997年4月号「ドンキーコング奮闘記」で池上通信機の元社員がマリオのジャンプについて語っているそうです。
ネット上を探したら
池上通信機がかねてから研究中だったジャンプアクションをドンキーコングに採用した。
ジャンプアクションとしての雛形は池上通信機が「こういうのもできるよ」って提案した。
というような記述がありました。

マリオをジャンプさせたのは誰か?

枯れた知識の水平思考さんのところで、非常に興味深いやりとりを見つけました。かの有名な『ドンキーコング』にジャンプという仕様を提案したのは、横井軍平氏と池上通信機の両者である可能性が高いようです。
『ドンキーコング』の開発経緯に関しては、"プログラム以外は宮本茂が作った"との乱暴な説明をしばしば目にします。しかし実際には、仕様面も含めて内外のスタッフの意見が反映されていたことが伺えますね。

ところで根本的な疑問なんですが、そもそもビデオゲームにジャンプという動作を初めて導入したのはどの作品だったのでしょう?
さすがにPCゲームも含めると範囲が膨大になりますので(個人的にApple IIとかサッパリ) ――― 家庭用ゲームと業務用ゲームに話を絞りますと、まず僕が最初に思い出したのはアタリの『バスケットボール』です。



vcs_basketball.jpg

Basketball (from AtariAge)
元々は78年にアタリVCSでリリースされた作品。僕も今回調べてみて意外に思ったのですが、業務用版(79年)の方が後だったんですね。

見ての通り、非常にシンプルな1on1タイプのバスケットボールゲームです。
選手の移動はジョイスティック。ボールを持っている状態でボタンを押すとシュート、そしてボールを持っていない状態でボタンを押すとジャンプします。守備側はジャンプでシュートを止めることができるというわけです。

70年代後半のビデオゲームと言えば、インベーダーやブロック崩しのように自機が直線的な動きしかできないものばかりでした。平面的なバスケットコート上を自由に移動することができ、さらに"高さ"の概念まで導入した『バスケットボール』は、当時としては優れた技術力に裏打ちされた作品であったと言えます。

・・・などと自分で書いておいてなんですが、『バスケット』のジャンプはあくまでも守備側限定の動作です。
『ドンキーコング』や『マリオブラザーズ』のように、"ジャンプ"がゲーム性の根幹に関わっている作品―――ずばりジャンプアクションゲームの起源と呼べるような作品は他に存在しないのか?
海外の文献やWEBサイトを漁ってみたところ、それらしきものを見つけることが出来ました。



frogs_1.jpg

Frogs (from KLOV)
1978年にアメリカの業務用機メーカーGremlinより発売された作品。『セガ・アーケード・ヒストリー』(02年)によれば、日本でもセガを通じて導入されていたとのこと。タイトル名が示すようにプレイヤーはカエルを操作し、制限時間内により多くのムシを捕まえるゲームでした。

入力は1レバー+1ボタン。レバーの左右で移動、上でジャンプ。ボタンを押すと舌を伸ばしてムシを捕らえることができるといった感じ。
画面だけ見るとものすごく殺風景に思えるかもしれませんが、実際の筐体ではハーフミラーが採用されており、浮き草や木が描かれた背景の上に虫とカエルのグラフィックが"合成"される仕掛けになっていました。



というわけでジャンプアクションゲームの萌芽は、70年代後半の昔までさかのぼることが判りました。
ただし『Frogs』のジャンプは単に真上へ飛び上がるだけです。『ドンキーコング』のように放物線状の軌道を描くジャンプが可能であったわけではありません。
なにより、ジャンプアクションゲームと聞いて我々が真っ先に連想するのは、「敵や障害物を飛び越す」、「段差のある足場へ飛び移る」といったフィーチャーである筈です。しかし、"移動・回避手段としてのジャンプ"を採用した作品を散々探してみたのですが、『ドンキーコング』以前に見出すことはできませんでした。

以上の点から、事実上ジャンプアクションゲームというジャンルを確立したのは『ドンキーコング』ではないか?というのが現時点での僕の推測です。
もしも、『ドンキーコング』以前の先例をご存知の方が居らっしゃいましたら、是非ともコメントをお願いします。
タグ:ゲーム
nice!(1)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 1

コメント 11

M_t

放物線を描く、回避+移動ジャンプには心当たりは無いのですが、回避のみ扱ったジャンプなら心当たりがあります。
1981年発売のカセットビジョンの『きこりの与作』は、イノシシやマムシを避けるために垂直ジャンプします。
元ネタである新日本企画(SNK)の『与作』もジャンプで回避していた可能性があります。しかし、残念ながらSNKの与作の資料がネット上でも、ほぼ見当たらないんですよね。
http://pht.so-net.ne.jp/photo/tape-load/images/2941560
昔、どこかで拾ったインストカードの画像なんですが、肝心の遊び方
の字が読めない・・・
by M_t (2009-06-21 18:23) 

inu

ジャンプゲーなら「ジャンプバグ」を真っ先に思い出したのですが、
わずかながらドンキーコングより遅いようですね(笑)。

昔読んだ「bit」の記事の池上通信機の記述によると宮本氏が
提案されたアイディアは確かジャッキレバーで鉄骨を傾けてタルを上に上げ、
コングに当てるという全然違う物だったようです(これはこれで非常に面白そうです)。
by inu (2009-06-22 07:39) 

loderun

>M_tさん
業務用の「与作」は完全に見落としてました。残念ながら実際にプレイしたことはありませんが、カセットビジョン版と同様にジャンプできた筈です。
「ドンキーコング」以前に、回避手段としてのジャンプが採用された先例となりますね。

>inuさん
「ジャンプバグ」って、ジャンル的にはスクロールSTGになるんじゃないでしょうか?(笑)
「ドンキーコング」に関しては、開発当時のプログラム技術やハードウェア性能では、宮本氏の当初のアイデアを実現することはできなかったそうですね。
by loderun (2009-06-24 20:34) 

Aya

なんかこの辺を含めてまた呑みながらみんなでダベると・・・きっと突拍子も無いゲームが出てくるんだろうなぁ、と思いました(笑)

地味にそんな企画の種が植えられてますけどねw
by Aya (2009-06-24 22:57) 

zentaroh

ドンキーコングでも100m面や50m面なんかは
どちらかといえばジャンプアクションでクリアするというより
ポパイとかレッキングクルーのようにルートを考え
敵からうまく逃げつつクリアするという作りですね
こういう面が宮本氏のゲームデザインに近い物なのでしょうね
by zentaroh (2009-06-25 11:50) 

loderun

>Ayaさん
ああ、オフ会は是非ともまたやりたいですね。カエルのお店が無くなったのは残念ですが(笑)

>zentarohさん
確かに、家庭用版ではなかったことになっている50m(ベルトコンベアー)面って、他のステージと比べて異質です。
正直言ってあまり面白くないステージですが(笑)、宮本氏の後の作品の原型と考えると、また見方が変わりますね。
by loderun (2009-06-26 13:50) 

Aya

実はオフの企画が軽く持ち上がってますw

時間的に「サービス業でもない限り、まぁ大丈夫な日」を選択すると・・・大晦日から元旦に掛けて、って感じですねw

で、「場所:オレの家なら初詣もついでに出来るじゃん?どーせ酒はアホみたいにあるんだ!」って理由でそうなりそうな怖さがありますw
by Aya (2009-06-27 01:18) 

hidemix

この記事で最初に思い浮かんだのがカセットビジョンのきこりの与作でした。
最初にはまったTVゲームかもしれません。

木の枝に当たるとしばらく動けなくなるんですけど、ジャンプ中にわざと当たって空中で静止するってのを好んでやっていました。
何故かはわかりませんがw
by hidemix (2009-07-03 12:33) 

loderun

コメント遅くなってごめんなさい!

>Ayaさん
PCで室内温度が上がるAyaさんの部屋は一度行ってみたいです。せっかくだからMSX本体を持っていきますよ!(笑)

>hidemixさん
あ、こちらでは初めてな気がします。以前はどうもありがとうございました。
上でも書きましたが、「与作」は完全に見落としていました。
「ジャンプ中に痺れて空中浮遊」は僕もやってましたよ。考えることは皆同じ?(笑)
by loderun (2009-07-10 18:40) 

雷更新世

Wikipediaによるとアーケード版では「与作は移植版のようにジャンプはできない」とありますね…。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E4%BD%9C_(%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0)
by 雷更新世 (2016-07-24 20:13) 

亮

この記事によると1975年にアタリが障害物競走のゲームを発表しています
http://www.geocities.jp/bochake2/steeple_chase.html

余談になりますが、このスティープルチェイス、ボタン操作のみ、多人数の障害物競走というのが
ハイパーオリンピックに通じるものがあって興味深いです

by 亮 (2017-02-02 16:04) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。