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学研『テレビゲームのひみつ』に異議あり! [レビュー]


まんがひみつ文庫 テレビゲームのひみつ
カプコン、学研と学習教材「テレビゲームのひみつ」を発刊 (from IT Media)

今年の5月に発刊された学研の学習マンガ、『テレビゲームのひみつ』です。
ゲーム業界初の試みとして、あのカプコンが製作に関わっていることで知られます。雑誌やニュースサイトの紹介記事で目にされた方も多いのではないでしょうか。

本書は社会貢献活動の一環として、全国の小学校や公立図書館への寄贈を目的に刊行されました。一般への配布・販売は行われていません。
「そんな非売品の本が、なんであるんだよ?」とのツッコミが予想されますが・・・えーと、悪いことはしてませんよ?(笑)


ともあれ、この『テレビゲームのひみつ』について。

主人公はロックマンが大好きな小学生、走太(そうた)くん。
アメリカからやってきたいとこの金髪ハーフ少女、アキラちゃんと一緒にゲームショウへ出かけたり、社会見学でカプコンを訪れたり、レーティング制度への理解を深めます。
いつしか二人は、「将来はゲームクリエイターになりたい!」との夢を抱くようになる・・・というのが本書のおおまかなストーリーとなります。

元々、「子供たちの豊かな感性や感受性を大きく育てる」などとお堅い目的で作られたわけですから、健全で教育的で啓蒙的な内容となっているのは当然です。
率直に言って、大人のゲームファンが読んでも、あまり面白いものではないと思います。

そんな本書ですが、やはり当blogとして無視できないのが、第4章にあたる「ゲームの歴史を探ってみよう」です。 幼い子供たちに対して、“ビデオゲームが来た道”はどのように説明されているのか?間違った説明は含まれていないか?
ひょっとすると、僕のように黎明期のゲームが気になって仕方がない変わり者が、彼らの中から生まれることだってありえます(笑)。

つーわけで早速、第4章「ゲームの歴史を探ってみよう」を見ていきましょう。





インターネットのライブラリを通じて、ゲームの歴史を仮想体験する走太くんたち。
1974年のアメリカにやってきました。





そしてここはアタリ社。なにやら新作ゲームに皆が熱狂している模様です。




あれは、世界で初めてのテレビゲーム「ポン」さ。

あちゃ~、なんてことを・・・(苦笑)。

ツッコミ所は二つ。
まず、「ポン」の家庭用機が発売されたのは1975年。
製造元はアタリですが、米国の大手小売チェーン店・シアーズより独占的に販売されました。そのため、ゲーム機本体にはアタリでなく、「Tele-Games」と独自のブランド名が記されているのが特徴です。(上の画像ではわかりにくいですが、ちゃんとTele-Games版のイラストが描かれています)

次に、世界初の家庭用テレビゲームは「ポン」ではありません。
72年にマグナボックス社から発売された「オデッセイ」です。詳しい解説はWikipediaに譲りますが、極めて初歩的な誤りだと言わざるをえないですね。





んで、「ポン」に次いで登場するのは、皆さんご存知のファミリーコンピュータ(83年)。いちおう、四角ボタンの初期型になってます。

ただし、ゲーム機に関する具体的な説明はファミコンで終わり。
最後にまとめとして、歴代ゲーム機の年表が見開きで示されています。





*クリックで拡大(別窓で開きます)

おお、歴代セガハードが紹介されてる!一方PCエンジンは、まるで「コア構想」の狂乱など無かったかのような、あっさりとした扱いです(笑)。
まぁ、その辺りの細かいツッコミは置いておくとして、ファミコン以降については極めて妥当な年表だと思いますね。


以上、簡単ではありますが、第4章「ゲームの歴史を探ってみよう」の内容を追ってみました。
やはり、ポンを“世界初の家庭用テレビゲーム”と書いてしまったのは問題です。どうしてこんな誤りが通ってしまったのか不思議でなりません。

子供向けに書かれた物ならなおさら、その内容は厳しく精査されるべきだと僕は考えます。そして「ポン」と「オデッセイ」は、ともにビデオゲーム史を紐解く上で欠かすことのできない極めて重要な存在であると言えます。
“誤った歴史”を書いてしまった本書が、学習教材として教育の現場に送り出されてしまったことが僕には残念でならないのです。



【おまけ】

ぼくの知ってるロックマンとはちがうな~。

う~ん、逆に僕は最近のロックマンの方が馴染めないですね。
いつのまに、こんなにカッコよくなっちゃったんだよ?(笑)。



(関連記事)
写真で見る家庭用ビデオゲーム40年史
【ゲーム千夜一話】 ATARIはいつもそこにある


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コメント 24

柾木神威

>「そんな非売品の本が、なんであるんだよ?」とのツッコミが予想されますが・・・えーと、悪いことはしてませんよ?(笑)
正直においちゃんに話してごらん?ん?
や っ た ん で し ょ ?

で、なんで持ってんのさ(笑)

>アメリカからやってきたいとこの金髪ハーフ少女、アキラちゃん
「それ、なんてエロゲ?」って思った。(笑)

>歴代ゲーム機の年表が見開きで示されています。
ゲームボーイアドバンスやメガCD、FXの事も書いてあげてください・・・。orz
特にアドバンスが抜けてるのが納得いかぬぇー!(・3・)
by 柾木神威 (2007-08-20 00:48) 

kasokage

危うく、学校で嘘教えられたー!と娘が不良になってしまうとこでした。この指摘が伝わるといいですねぇ。loderunさんはゲーム版「新しい歴史教科書を作る会」を発足させるべき(笑)
by kasokage (2007-08-20 02:51) 

がはく

父さん・・・カセットビジョンも立派なテレビゲームなわけで・・・
たまにでいいのでネオジオとネオジオCDも思い出してあげてください。
まぁ、そんなこというと「ゲームが本体に6つくらい入ったやつとかあったろ」
とか・・・あれもコレもと言うことになるからラチあかないか。
by がはく (2007-08-20 09:40) 

loderun

>柾木さん
nice!ありがとうございます。
お子様向けの本なので、残念ながらアキラちゃんとのエロゲ的展開はありません(笑)。

あと、確かにGBAが抜けてますね。うっかり見落としていました。
どちらかというとメガCDよりも、NECのCD-ROM2を書いて欲しいかな。世界初のCD-ROMですからね。

>kasokageさん
お子さんには、自宅学習でフォローしてあげて下さい(笑)。
ゲームの歴史教科書はさすがに作るのが大変でしょうね。でも、自動車や鉄道と同じノリで、子供向けのゲーム機図鑑があったらいいなと思います。

>がはくさん
そうなんですよね。「ファミコン以前」の説明が少ないのが残念です。
ネオジオは…業務用由来なので、今考えても特異なゲーム機でしたね。
by loderun (2007-08-21 11:48) 

>一方PCエンジンは、まるで「コア構想」の狂乱など無かったかのような、あっさりとした扱いです(笑)。

CD-ROMを採用した重要性を認識させないと!子供達に!
往年のPCエン人の一人としては猛抗議ですよ!(笑)



ロックマンのソフトを全部持っているというアキラパパ。(笑)
by (2007-08-23 10:18) 

loderun

ああ、やっぱりPCエンジンファンの人は怒りますよね。
ディスクシステムが紹介されてるぐらいですから、CD-ROMも加えるべきでしょう。

あと、アキラパパは「日本に住んでた頃にファミコンとアキラママに出会った」って設定になってます(笑)。
by loderun (2007-08-24 09:19) 

Carol

ジャガーとかリンクスとかバーチャルボーイとかピピン@とかプレイディアとかPC-FXとかワンダースワンとかも抜けてますね。

カセットビジョンを紹介しないのはどうかと思いますよね。
by Carol (2007-08-30 00:01) 

loderun

はじめまして。確かに抜けているハードが多いですね。

ただし、上の記事で詳しく触れませんでしたが、この第4章は「時代を経てゲームのグラフィックは進歩してきた」という流れになってます。(その例として挙げられたのがポンとファミコン)

小学生を対象に見開き2ページだけで説明するとなると、これくらい割り切った年表でも仕方ないかなとも思います。
by loderun (2007-08-30 09:57) 

NO NAME

子供向けなんだからみなさん落ち着いて…!!(笑)
これを見てたら「テレビゲームとデジタル化学展」で売られていた2000円くらいの分厚い本を思い出しました。
…まあ持ってるんですがね(笑)
by NO NAME (2007-09-02 14:24) 

みぐぞう

はじめまして~
お子様向けの本という事なので簡素にするのは仕方ないのは承知ですが、カセットビジョンと光速船には触れて欲しかったのが残念なところですね。

後、アタリVCSにおける「アタリショック」(ビデオゲーム・クラッシュ)にも触れて欲しかったところですが…
by みぐぞう (2007-09-02 21:55) 

NO NAME

大岩ピュン??
by NO NAME (2007-09-03 04:18) 

loderun

>「テレビゲームとデジタル化学展」
あ、その冊子は見たことがありません。ちょっと探してみます。

>カセットビジョンと光速船
上でも書きましたが、この章は「時代を経てゲームのグラフィックは進歩してきた」という単純な説明に留まっています。「70年代から80年代前半にかけて多様なゲーム機が生まれた」という流れだったら光速船はアリなんですけどね。

>大岩ピュン??
正解!
by loderun (2007-09-03 09:06) 

いっし-

ゲームボーイアドバンスがぶっとばされてる
やっぱり流星はなじめない
by いっし- (2007-09-03 21:36) 

通りすがり

んー、別にいいんじゃないっすか?
たかだかゲームの話でしょう。
テレビゲームの黎明期として『アタリ』、っていうキーワードさえあれば、それが引き金になって知識が広がっていくだろうし。その中で自分の手で間違いも見つければいいだけな気が・・
by 通りすがり (2007-09-04 01:15) 

loderun

>やっぱり流星はなじめない
実は「流星のロックマン」という作品の存在自体、この本で初めて知りました(笑)。

>たかだかゲームの話でしょう。
「ポンの発売は74年」、「ポンは世界初のテレビゲーム」。上で説明した通り、これらは明確な事実誤認です。また、“子供が自分の手で間違いを見つければいい”と貴方が考えるのは勝手ですが、それは私の思う「教育」の姿勢とは異なります。
本書が学習教材として編纂された以上、製作者の怠慢は十分非難に値しますね。
by loderun (2007-09-04 09:57) 

NO NAME

いい歳したロックマンファンからすると、
最後のコマが悲しすぎます・・・涙
by NO NAME (2007-09-04 12:59) 

ブリキ大王

>いい歳したロックマンファンからすると、
>最後のコマが悲しすぎます・・・涙

同意、むしろ下のコマの方が
「あれがロックマン?僕の知っているロックマンとは違うな~」かと。
まあ、当時の名作の関連作品が未だに出ている、という点で埋もれていった過去の名作に対しては勝ち組だと思う。
内容の正誤は兎も角、子供がこういう本を読んで昔のゲームにも興味をもってくれればいいな。
by ブリキ大王 (2007-09-05 15:42) 

loderun

>いい歳したロックマンファンからすると、最後のコマが悲しすぎます

まとめてレスさせてもらいますが、やはりオールドゲーマーたる我々としては、旧作品の魅力を子供たちに伝えるよう努力すべきなんじゃないかと思います。
今年のクリスマスはFC互換機をプレゼントだっ!(笑)
by loderun (2007-09-06 10:21) 

はる

セガマークⅢが無い.....
by はる (2007-09-09 18:35) 

マイケル村田

あれ…、ゲームギア、PCエンジンGT、SG-1000、SG-1000II、SC-3000、CD-ROM2、SUPER CD-ROM2、メガCD、SUPER 32X、PCエンジンDuo、PC-FX、3DO、テレビテニス、テレビゲーム15、ATARIシリーズ、カセットビジョン、スーパーカセットビジョン、マイビジョン、TVボーイ、オセロマルチビジョンが紹介されていませんけど…。後、発売中止になったスーパーファミコンのCD-ROMアダプタ「プレイステーション(仮)」も紹介されていません。もしかして出版社、入れ忘れたのでは?
by マイケル村田 (2012-01-06 18:10) 

おでんセイ

私も実は世界初のテレビゲームはポンだと長年思っていました。たぶん、BEEP等の初期のゲーム雑誌に乗っていた記事をそのまま覚えていたからだと思いますが。

それにしても、「子供の教育」用ならば誤りがあるのは言語道断だし、カプコンなんてゲームで御飯食っている会社が堂々と書いていたのは恥ずかしいですね。まだまだゲームの歴史って長い目で見れば黎明期と云えるのかなぁ?でもまあ、今までは「ゲームなんかしちゃいけません!」一辺倒だった教育機関も考え方が半歩進んだ証ではありますね。

あとロックマンですが、最近の奴はテレビの土曜朝のアニメ番組で時々見てました。ゲームもメディアミックスの一つなんだなとつくづく感じ取れます。
by おでんセイ (2012-04-20 10:30) 

NO NAME

なにかと引き合いに出される本家ロックマンはまだいいよ
流星のロックマンの事なんてもう誰も…
by NO NAME (2013-04-12 06:56) 

トイソルジャー

ゲーム機大戦を見たほうがいいと思うなぁー。
by トイソルジャー (2015-07-17 16:01) 

さすらいのゲーマー

実は僕もこの本を読んだことがあって、間違ってんじゃん!ってずっと思ってましたが、記事として取り上げてる方がいるとはw
by さすらいのゲーマー (2017-02-10 16:41) 

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